金属と音について

ここでは金属が発する音について考えてみたいと思います。
金属の種類によって、叩いた時に発する音が幾分か違います。
どんな金属がどんな音を発するのでしょうか?どんな金属が良い音色を
出すのでしょうか?
予め申し上げておきますが、“良い音色”に関しては結論づける事はできておりません。
解る範囲で記述しておりますが、もし関連の知識をお持ちの方がいらっしゃいましたら
情報をお寄せいただきますようお願い申し上げます。

良い音色を出す金属について
まずは打楽器に使われている素材について調べてみました。
分かり易いところで『トライアングル』を調べてみると・・・
安価なもので→鉄 高価になると→燐青銅・・・でした。

その他に考えられる音を出す金属用途材質を探ってみると、
1.風鈴・・・・・・これにはそれこそ様々で、アルミ、真鍮、ステンレスと
なんでもいいのか?という感じでした。
2.鐘・・・・・・・・青銅
しかし東洋の鐘がゴ〜ンという重低音であるのに対して
西洋の鐘はカンコンという高い音がします。これは同じ青銅(銅と錫の合金)
でも錫の含有量の差(西洋の方が錫含有量が多い)によって組織構造が違うためと指摘されています。
3.御鈴・・・・・・これには興味深いものがありました。
18金を使っていますが、他の金属と違って18金は余韻が長い
らしいのです。さらに1000トンプレスで高圧を加えることにより
金属分子を硬化させることによって残響に効果があるらしいです。
松本徽章様のHPより
4.オルゴール・・櫛歯(コーム)=鋼鉄製
ここでも面白い発見をしました。
音階は櫛歯の長さだけでなく、低い音は歯の太さをより太くする事で
調整しているらしいです。
ちなみに日新製鋼鞄aではNKS37という鋼種をオルゴール振動板
として供給しています。
工房杢琴館のHPより 
5.フルート・・・・金、銀、白金
フルートは直接叩いたりして音を比較するものでは無いのですが、その材質に
よって音色が変わるらしいのです。
鎌倉新フルート合奏団・合奏団たより より
上記のURLでは金属と音について独自の分析をされていて
読み物としてもとても面白いので是非ご覧下さい。
6.ギター・・・・・チタン(サドル部)
ギターに金属とはイメージが湧かないのです(編集者が弾けない為)が、
本格的なヒントを得る事ができました。
K.T.S Titanium Sectionより
上記URLでは金属と音の関係について下記のように記述されています。
チタンは・・・
音響的に優れた金属としての第一条件として、内部減衰率の低さがあげられる。
すなわち、弦の振動によって発生した波動を物質内部で吸収してしまうことなく、
ボディーへと伝えることができるのだ。稠密六方晶と呼ばれる、その独特な結晶組織に
起因するものと考えられているが、それがまた、弦振動の安定性をも生み出している。
もうひとつ、従来から音響材料には、 E( 縦弾性係数 ) /ρ( 密度 ) の値の高いものが
よいとされている。わかりやすく言うと、軽くて曲がりにくい材料がよいということだ。
チタンは、この条件も併せ持っているといえよう。


上記のチタンに関する記述で『音響材料には、E(縦弾性係数)/ρ(密度)の値の高いものがよい』
というのが事実であれば、主な金属の音響効果は下表のように順位付ける事ができるという
事になります。

材質 @縦弾性係数
(KN/o
A密度
(g/p
@/A
鉄(SPCC) 210 7.86 26.7
ステン(SUS430) 204 7.7 26.5
ステン(SUS304) 194 7.93 24.4
アルミ(A1100) 68.6 2.7 25.4
ジェラルミン(A7075) 71.6 2.8 25.6
88 19.32 4.6
100.5 10.49 9.6
136 8.96 15.2
15.7 11.36 1.3
チタン(1種) 106 4.51 23.5
真鍮(C2680) 98 8.5 11.5
リン青銅(C5191) 98 8.6 11.4
鋼(SK5)熱処理前 204 7.86 25.9
鋼(SK5)熱処理後 7.86

ちなみに音速の計算方法は、媒質(空気に代表されるような、音を伝える物質)
の弾性率を密度で割り算したものの平方根です。
音速(m/秒)=√弾性率(Pa)/密度(kg/m)
ということは、言い換えると(媒質となった場合の)音速が速いものほど音響効果
がある金属
・・という事になります。
さらに・・・固有音響抵抗値(音響インピーダンス)という指標があります。
これは空気を単位速度で振動させるのに必要な圧力を示すものですが、
これは≒音速×密度で求められます。
この数値で追うと、固有音響抵抗の高いほうが良い音色を出すような気もします。
そういえば駅員さんがハンマー検査による音の違いで金属内部のクラックや巣を
発見できるという事は、金属の密度に部分的な差を生じているからでしょうし、
金属の密度は音に大きく影響する事は確かなようです。

媒質による音速の変化(音速は温度によって変化する)
媒質 音速(m/秒) 密度(kg/m 弾性率(Pa) 固有音響抵抗ρc [106・Ns/m3]
空気 341 1.2 14×10 409E−6
1480 1000 2.2×10 1.48
3940 900 14×10 3.5
5290 7860 220×10 41.6
ガラス 4000〜5500 2200〜2600 60〜80×10 8.8〜14.3
3500〜4500 300〜800 3.7〜10×10 1.05〜3.6
ポリエチレン 2300 1100 5.8×10 1.75

しかし考えてみるとトライアングルや鐘等の音色は共鳴効果による要因が
大きいのでしょうし、金属単体が出す音色について優劣をつけるのは難しい事のようです。
解らなくなったところで、音について少々調べてみましたので参考にしてください。         

音の正体

音の正体を一言で言えば空気の振動です。空気の運動や疎密の変化を振動として
耳の鼓膜で受け止め、神経信号に変換されて脳へと伝達されたものが“音”として認識されます。
太鼓の場合で例えてみましょう。
太鼓を叩くと、太鼓の皮が盛り上がったりへこんだりする運動を繰り返します。すると、
太鼓のまわりは空気で隙間無く満たされていますので、皮の動きと共に空気も押されたり
引かれたりします。この時空気は押し縮められたり引き延ばされたりしています。
つまり、空気は押し縮められて“密”になったり、引き延ばされて“疎”になったりするのです。

つまり太鼓の音は打撃によって生じた皮の振動が
空気の疎密の変動を引き起こし、それが空気中を
伝わって、我々の耳に届いたものなのです。
この場合、太鼓の音が耳に届くのは耳と太鼓との間に
空気があったからです。もし真空状態であったなら
いくら強く叩いても音はしません。
この場合の空気のように、音を伝える物質を媒質と
言います。普通は空気が媒質となる場合が多い
のですが、空気に限らず、他の気体であっても
固体・液体であっても、媒質として音を伝える事が
できます。但し、前述の表に示すように、
音を伝える速度は、媒質によって大きく変化します。

周期 =音が振動を繰り返すのにかかる時間
1000Hz=0.001秒
波長 =音圧の最大点から次の最大点までの距離

音の高低
音には高いと感じる音と低いと感じる音があります。
この違いはどこからくるのでしょうか?
音は媒質の繰り返し変化(振動)ですから、その振動
には繰り返しのパターンがあります。
音の高低は、この振動の繰り返しの回数によって
決まるのです。一般に、音の高さは1秒当たりの
繰り返し回数を示す周波数によって表されます。
周波数の単位はヘルツ(Hz)を用いられ、低い音は
周波数が低く、高い音は周波数が高くなります。
人間が耳で聞くことが出来る音の範囲を可聴域と言い、
低い方で20Hz、高い方で2万Hz位になります。
20Hz以下を超低周波、2万Hz以上を超音波と言います。
ちなみに時報のピィ・ピィ・ピィ・ポーンでは、ピィで440Hz
ポーンで880Hzになっています。

音の大小
音は疎密波であると説明しましたが、これは大気圧
からの圧力変動であるとも言えます。
この変動分を音圧と呼んで、音の物理的大きさを
表します。音圧は圧力であるので力の単位Paパスカル
を使います。
1Paは1mに1N(ニュートン)=約0.1sの力が働いている状態です。 
ところで、1気圧は約1000hPa(ヘクトパスカル、「ヘクト」は100倍の意味)すなわち100000Paです。

主な音の音圧レベル 音圧Pa 音圧レベルdB
最小可聴音 0.00002
ささやきの声(1m) 0.0002 20
会話(1m) 0.02 60
電話のベル 0.2 80
地下鉄の車内 0.5 90
飛行機のエンジン付近(50m) 20 120

では、一般に存在する音の音圧はどれぐらいでしょうか?
相当小さい音で1/10000Pa以下、大きい音で1Pa位、
10Paでは耳が痛くなります。
大気圧と比べてずっと小さな圧力変動であることが
わかります。平均的な成人男子が聞き取れる最も
小さな音は4kHz付近の周波数で0.00002Pa
と言われており、これを最小可聴音と言います。
これを基準として何桁大きいかで音の強さを
表します。数学でこれを対数表示と言いますが、
これがB(ベル)と言う単位です。実際には桁数に
20をかけたdB(デシベル)と言う単位を使っています。

音の大きさと周波数の関係
人間の可聴音の周波数範囲は20〜2万Hzであるが、
同じ周波数範囲であっても、耳の感度は周波数によって
大きく異なります。
一般に人の聴覚は4kHz付近で最も感度が良くなり、
低い周波数や高い周波数では感度が落ちるという性質を
持っています。
赤ちゃんの泣き声や女性の悲鳴がこの最高感度4kHzに
近い声なのでよく聞こえます。反対にそれより低い音や
高い音には感度が低いので、同じ大きさに聞こえた場合は
実際の音圧レベルはずっと高いはずです。
したがって、騒音のように、人が感じる大きさを表現すべき
場合は、人間の耳の感度の周波数特性で補正した値で
議論するのです。これをラウドネスと言います。
どの周波数のどれ位の音圧レベルの音が同じ大きさに
聞こえるかを表したものが、右に示す「等ラウドネスレベル
曲線
」です。
ラウドネスは「フォン」という単位で表し、1000Hzで40dB
の音圧の音と同じ大きさに聞こえる音を40フォンとしています。
例えば同じ40dBの音圧レベルでも、100Hzならば35フォン
程度、50Hz近辺にまで下がると殆ど聞こえなくなってしまいます。

音源の大きさと音の関係
振動して音を出すものを見てみると、どれもある程度の大きさを持っています。太鼓の場合でも大きい太鼓の方が
大きい音が出ますし、弦楽器では弦そのものは細くても、弦の振動を胴に伝えて胴が鳴る事で大きな音が出ます。
これは、大きな面積が振動すると動かされる空気の量が多くなるからで、それだけ大きなエネルギーが
放出されるのです。振動する速度と振動する面積を掛け算したものを体積速度と言います。

音の弱まり
音は遠くに行くほど弱まっていきます。この現象を音波の減衰と言います。
理由1.拡散減衰→音は音源から球面状に広がっていきます。すると当然ながら遠くへ行けば行くほど
球面波の面積は大きくなります。すると単位面積あたりの音のエネルギーは
小さくなっていくことになります。
理由2.吸収減衰→音は空気などの媒質による伸縮作用によって発生するわけですが、この場合にも
伸びたり縮んだりする際に熱が生じエネルギーを消費します。
吸収減衰によるエネルギーの損失は一般に周波数が高いほど大きくなって、
遠くまで音が伝わりにくくなります。遠くに鼓笛隊がいた場合に大太鼓の
音ばかりが聞こえるのはそのためです。

共振(共鳴)とは?
並べた音叉の一方を鳴らすと、もう一方の音叉が鳴ります。これは叩く力は小さいのですが、音叉の振動しやすい
周波数に一致しているために、よく振動するのです。このように、物がある程度の周波数でよく振動する現象を
共振(共鳴)と言い、この振動しやすい周波数を共振周波数と呼んでいます。
例えばヨーヨー遊びの場合、これも振幅運動ですが、タイミング良く手を動かせば、わずかな力でもヨーヨーは
より大きく振幅運動を続けますし、タイミングがずれたら止まってしまいます。この、うまくいく時の手の振幅が
共振周波数ということです。

純音と復合音
音の説明のために使われるきれいな波形は正弦波(サインカーブ)
と呼ばれる最も基本的な波形です。
このような正弦波で表される音はピーという単純な物
で、純音と言われています。
聴力検査の時に聞かされる音がこれです。
純音の場合は、周波数と音圧がはっきりしていれば
その音の性格を完全に表現できます。実際には
自然界に存在する音と違って、人工的な感じ
のする音であり、音色を感じるようなものでは
ありません。
純音に対して2つ以上の純音が入り混じった
現実的な音を複合音と言います。純音以外は
すべて復合音と考えて下さい。ですから私たちが
日常耳にするのは殆ど復合音です。
復合音にも様々な音があります。
例えばテレビ終了後のザーという雑音は、あらゆる
周波数の純音が一様に混じった物で、脈絡のない
音です。
一方、いくつかの周波数で強い成分を含む音は、
楽器などでよく見られます。
普段音として意識するものには、このような音が
多いのです。特に楽器の音の場合、その音の成分中
最も周波数が低く強い成分(基音)の、整数倍の
周波数成分が強いのが普通です。
こうした、周波数が基音の整数倍である成分を倍音
といい、倍音が含まれた復合音は
音色が強く意識されます。
発生した音がどのような復合音を持つかは発生
メカニズムによって決まります。

ピッチと周波数
音の高さは1秒間の振動数、すなわち周波数で表せる
と説明しましたが、周波数では純音しか言い表せません。
複合音の周波数は○○Hzと一言では表現できない
のです。しかし実際には復合音を出している楽器の音
の高さを言い当てることが出来ますし、ピアノのドの音も
トランペットのドの音も音色は違いますが同じ高さの音と
認識できます。実際、これらの音の時間波形をオシログラフ
で観測すれば、ずいぶん違ったものになります。
このように、耳で聞き分ける事が出来る音の高さを音のピッチと呼びます。
大まかには、倍音が存在する複合音の場合、その基音がピッチを決めている
といえます。周期波形の最も基本的な繰り返しパターンがピッチを決めるのです。

正弦波と共振
両端を固定した弦は、その長さの2倍を波長とする周波数で振動します。
ある特定の周波数でよく振動するのは共振の為です。この共振現象は一種の周波数フィルター
として作用します。つまり、いろいろな周波数を含んだ複合音から、単一の周波数を持った純音
を作ることが出来るのです。先程ヨーヨーで例えたように、無理な力を加えてもヨーヨーは巧く
運動しません。ある特定の自然な力を加えることによってスムーズに動くのです。
これはある周波数だけに反応しているからです。つまり、ある周波数だけを通すフィルター
なのです。
ピアノを調律する音叉のチ〜ンという澄んだ音も、共振によるものです。
多少叩き方が違っても同じ高さの音が得られます。
物を叩く力の波形は鋭く切り立った物になりがちですが、このような波形は様々な周波数の
成分を含んでいます。この内、音叉の共振周波数の成分だけが音叉を振動させるのに
役立つのです。
弦が倍音でも振動するように、どんな物でもいくつかの共振周波数を持っていて、
それぞれの共振周波数でよく振動します。だから、叩いたりはじいたりした場合には
いろいろな共振が同時に起こるのが普通です。
共振周波数とその共振の度合いは形状や材質で異なります。
弦のような単純な物以外では、共振周波数どうしは正確な倍数関係にないことが多い
のです。こうして楽器はそれぞれに特有の音色がするようになるのです。

さて、音響学について基本的なところを学んできました。
ここで再び「金属が発する音」について考えてみたいと思います。
冒頭で金属が発する音、と表現しましたが、お解りのように、金属が音を発する訳では
ありません。音は金属が振動を起こす事によって空気が振動する為に起こるのです。
丁度、金が金色に見えるのが光の反射分光特性の為であるのに似ています。
(参考技術資料 金属と光について
という事は、金属の音の違いを考察するには、その金属がどのような振動の仕方をする
のかがポイントになります。
例えば鉄棒を床に置いて上から叩いた場合はコンという短い音を出すだけですよね。
ところが鉄棒を宙づりにして叩いた場合はコ〜ンと余韻が残ることはご理解頂けると
思います。これは叩いた後でも鉄の振動が継続する状況にあるために、空気も振動を
続けるのです。ということは、いつまでも振動を続けるような金属の方が、余韻という
音響効果はあるようです。つまりはバネ性のある(弾性係数の高い)金属という事に
なりますね。おなじみ横山ホットブラザースのノコギリ音楽「お〜ま〜え〜は〜あ〜ほ〜か」
のようなものです。(あれはノコギリを曲げる事によって周波数を変えてますが・・)
ところが良い音色となると話は別です。先程、叩く音の波形は比較的鋭く切り立ったもので
多くの周波数成分を含んでいると説明しましたが、良い音色というのは多くの倍音成分
を含んだ音であると言えます。また、周波数の高いもの程減衰作用が働く為に、
高倍音の音成分程早く消えていく事も音色には影響するでしょう。
このように、その金属がどんな音を出すのか・・というのは非常に繊細な条件設定が
必要であって、試験片となる金属の、ちょっとした違いが優劣に左右するものと
思われます。

金属が(叩いたときに)良い音色を出すのに有効と思われる条件

  1. 弾性係数が高いこと→条件にもよるが、振動の継続が見込まれる  
  2. 固有音響抵抗値が高いこと→音の反射率が高い


音響工学には固有の術語や単位系が多く存在します。ここでは基礎的なそれらの定義を行います。

時間: t [s]
周期: T [s]
瞬時音圧: p [Pa]
音波の瞬間の圧力
実効音圧: P [Pa]
瞬時音圧の実効値、単に音圧とも呼ばれる
P = √(1/t0T p dt) [Pa]
基準音圧: P0 [Pa]
音圧の基準値
P0 = 0.00002 [Pa]
音圧レベル: Lp [dB]
基準音圧に対する実効音圧の対数表示
Lp = 20log(P/P0)
空気の密度: ρ [kg/m3]
温度: τ [℃]
音速: c [m/s]
c = 331.45+0.607τ
固有音響抵抗: ρc [Pa/(m/s)]
空気を単位速度で振動させるのに必要な圧力
音の強さ: I [W/m2]
音の伝搬方向に対して垂直な単位面積を単位時間に通過する音のエネルギー
I = P2/ρc
音の強さの基準値: I0 [W/m2]
I0 = P02/ρc = 10-12
音の強さのレベル: LI [dB]
LI = 10log(I/I0)
音響エネルギー密度: ωa [J/m3]
単位体積に含まれる音響エネルギー
ωa = I/c = P2/ρc2
基準音響エネルギー密度: ω0 [J/m3]
ω0 = I0/c = P02/ρc2
音響エネルギー密度レベル: Lω [dB]
Lω = 10log(ωa/ω0)
透過損失(TL)
       遮音材料の性能で表す値で、材料に入射する音の音圧レベルに対し、透過する音の音圧レベルがとれだけ
      低下したかをdBで表す。また、透過損失は、材料の質量(kg/m2)と周波数の積の2乗の対数にほぼ比例する。
     すなわち質量の大きいほど一般には透過損失も大きくなる。これを質量法則という。具体的には、重さが2倍に
     なると4〜5dB遮音がよくなる。
材料 厚さt [mm] 面密度ρs [kg/m2] 透過損失TL [dB]
周波数f [Hz]
125 250 500 1000 2000 4000
ラワン合板 6 3.0 11 13 16 21 25 22
石綿セメント板 4 7.1 19 22 23 29 34 36
石膏ボード 9 8.7 20 22 25 28 34 23
板ガラス 6 15.0 20 27 31 31 26 37
鉄板1 1 8.2 17 21 25 28 34 38
鉄板2 4.5 36.9 28 33 37 41 40 38
鉛板 1 11.3 28 26 29 33 38 43

騒音対策の詳細HPはこちら
http://www.acoust.rise.waseda.ac.jp/publications/koyasu/k7.pdf
上記URLでは音響工学の詳細データが閲覧できます。
http://www.acoust.rise.waseda.ac.jp/publications/onkyou/onkyou.html

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