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参考文献:腐食・防食ハンドブック

 上表は異種金属接触腐食の損傷防止策である。ここでは、海水流体機械部品をイメージして作成した。

A-1〜A-3は材料間の上記相互作用そのものを絶とうとする手法、B-1〜B-3は相互作用が存在しても損傷の程度を縮小させる手法である。
A-1は材料間を被覆・絶縁し材料間の回路抵抗を増大させる手法である。


A-2は腐食電位差を小さくする手法である。そのためには左図が参考になる。
同図は常温海水環境中に静止浸漬した各種材料の腐食電位である。
同図を用いて、両材料の腐食電位差が小さくなるよう材料選択する事が出来る。

図.常温海水中に於ける各種金属の腐食電位
表.異種金属接触腐食損傷を防止する一般的手法



異種金属接触腐食の損傷防止策

異種金属接触腐食は、『異なる種類の金属材料が電気的に接触し腐食環境中で相互に影響し合って生じる腐食現象』です。


例えば鉄片(亜鉛より高電位。ここではカソード部品と呼ぶ)と亜鉛片(鉄より低電位。ここではアノード部品と呼ぶ)を
リード線で接触して海水中に浸漬すると、各材料の腐食速度は単独で浸漬した場合に比べ、それぞれ異なる値を示します。
一般に単独浸漬した場合に比べカソード部品は腐食速度が減少し、アノード部品は増大します。
この現象は両部品間で電気化学的相互作用が生じた結果です。
実構造物における代表例がトタン板です。亜鉛めっき層に傷が付いた場合、

@下地の鉄露出部分→A両金属の電気的接触部分→B亜鉛めっき層→C腐食液→@・・

・と電気回路が構成されることで亜鉛が犠牲的にアノード溶解し、下地の鉄露出部分がカノード分極され腐食速度が
減少することになります。

コラム・・・【犠牲防食】
前述のように、亜鉛などのイオン化傾向の大きい金属を鉄鋼材料などに接触させておくと、
亜鉛などが犠牲的に腐食して鉄鋼材料などの腐食を抑制することを
犠牲防食といいます。
亜鉛が先に腐食して電子を放出することで鉄に電子を供給し、鉄の電子放出を妨げることで防食効果が得られます。

このような状態を局部電池と呼びます。
船舶では、亜鉛を船体に取り付けることで、スクリューなどの重要部品を腐食から守っています。

冒頭でカソード・アノードと表現したイオン化傾向の優劣は一般には貴・卑とも表現されます。
異種金属の接触がある場合は、この電位差を考慮しましょう。

異種金属接触腐食について

金属の標準電極電位
金属名
イオン
原子量
標準電極電位
(ボルト)
Au+
197.2
+1.50
白金
Pt+++
195.23
+0.86
パラジウム
Pd++
106.7
+0.82
Ag+
107.88
+0.799
水銀
Hg++
200.61
+0.792
Cu++
63.54
+0.345
ヒ素
As+++
74.91
+0.3
アンチモニー
Sb+++
121.76
+0.1
ピスマス
Bi+++
209.0
+0.1
(水素)
H+
1.008
±0
Pb++
207.21
-0.132
Sn++
118.70
-0.146
ニッケル
Ni++
58.69
-0.248
コバルト
Co++
59.94
-0.278
Fe++
55.85
-0.426
カドミウム
Cd++
112.41
-0.397
クローム
Cr+++
52.01
-0.51
亜鉛
Zn++
65.38
-0.762
マンガン
Ma++
54.93
-1.000
アルミニウム
Al+++
26.97
-1.337
マグネシウム
Mg++
24.32
-1.55
ナトリウム
Na++
22.997
-2.713
カリウム
K+
39.10
-2.922