技術資料

Technical data

金属及び合金の物性表(一例)

Physical properties of metals and alloys (example)

金属及び鋼 密度g/cm3 硬さHv 引張強さN/m㎡ 伸び% 融点℃ 熱伝導率
cal/cm/sec/℃
熱膨張率
10-61/℃
固有電気抵抗
10-6ohm-cm
SUS430 7.70 150 520 30 1430~1510 0.062 10.4 60
SUS301 7.93 165 750 60 1400~1420 0.039 16.9 72
SUS304 7.93 150 600 60 1400~1450 0.039 17.3 72
SUS316 7.98 145 590 59 1370~1400 0.039 16.0 74
SUS310 7.98 185 660 50 1400~1450 0.034 15.8 90
ハステロイB 9.24 210 870 52 1320~1350 0.027 10.0 135
ハステロイC 8.94 210 830 50 1270~1305 0.027 11.3 139
インコネル 8.51 170 690 45 1371~1427 0.036 11.5 103
アルミニウム 2.7 25 100 30 660 0.57 23.5 2.69
19.32 26 110 30 1063 0.70 14.1 2.3
10.49 26 220 40 961 1.0 19.1 1.6
クロム 7.19 - - - 1890 0.16 6.5 12.9
コバルト 8.85 124~130 - - 1492 0.16 12.5 6.24
タングステン 19.3 100~350 3700 - 3380 0.39 4.5 5.5
8.96 46 220 50 1083 0.94 17.0 1.673
11.36 - 30 - 327 0.082 29.0 20.6
ニッケル 8.90 96 490 40 1453 0.21 13.3 6.844
白金 21.45 - 250 10 1769 0.17 9.0 10.6
マンガン 7.43 - - - 1244 - 23.0 160
モリブデン 10.22 147 1370 - 2630 - 5.1 5.7
チタン 4.51 120 410 40 1668 - 8.9 55
チタン合金(6-4) 4.43 310 980 15 1594 - 8.8 171
モネル 8.44 140~185 550~660 40 1300~1350 - 14.0 -
タンタル 16.6 300 25 2996 - 6.5 12.4
アルミニウム青銅 7.86 120 490 22 1050 0.165 17 13
ジェラルミン 2.80 115~128 440~590 15 650 - 22.6 78
真鍮(7:3) 8.5 50 200 38 910 0.20 18 3.2~5
SC材 C%0.4~0.5 7.84 150 - - 1390~1420 0.106 10.72 19.5
高炭素鋼C%0.8~1.6 7.82 180~280 - - 1335~1450 0.1 10.2 22
ニッケル鋼40%Ni 8.92 90 600 30 1250 0.06 - 48
青銅 8.70 65~70 260 16 970 0.09 17.2 7~25
洋銀 8.5 70~77 340~440 30 1080 0.08 18.4 20~30
リン青銅 8.6 74~80 390~1030 10 980 - 16.8 15

ミルハードン材は加味しておりません。

特殊鋼における化学成分の特性

Characteristic of chemical composition in special steel

化学成分 引張強さ 衝撃性質 溶接性 耐候性 耐候性 コスト
C × × -

鋼材の主元素、鋼材の性質をほぼ決定

Si - ×

主な仕事は脱酸剤

Mn × -

強さと硬さを増す(ホルモン剤)

P × ×

特殊鋼では少ない方が良い

S - × × -

特殊鋼では少ない方が良い

Cu - -

多いと脆くなる、錆びにくい

Cr - ×

摩耗に強い、焼入性アップ

Ni -

粘り強い、熱処理性アップ

Al -

細粒化に良い

Nb - × -

粘り強さアップ

V × × -

細粒化元素、靱性・摩耗性アップ

Ti - -

焼入性アップ(表層)

Mo -

焼きの深さアップ、粗粒化防止

Co - -

赤熱硬性

B -

焼入性アップ(深部まで)

W × -

耐熱性アップ、高温で強さアップ

バネ用ステンレス鋼帯の性質

Properties of stainless steel strips for springs

調質記号 高度(Hv) 引張強さ(N/㎜2) 伸び(%)
SUS301CSP 1/2H 310以上 930以上 10%以上
3/4H 370以上 1130以上 5%以上
H 430以上 1320以上 -
EH 490以上 1570以上 -
SUS304CSP 1/2H 250以上 780以上 6%以上
3/4H 310以上 930以上 3%以上
H 370以上 1130以上 -
NSS431 DP-2 - 340~400 1200(参考値) 9%(参考値)
SUS420J2 O 210以下 - -
析出硬化系 熱処理後硬さ(Hv)
NSSHT1770 - 280以上 - 450以上
SUS631CSP O 200以下 1030以下 345以上
1/2H 350以上 1080以上 380以上
3/4H 400以上 1180以上 450以上
H 450以上 1420以上 530以上

表面処理 処理法による分類

Classification by surface treatment method

処理法 主な目的
大分類 中・小分類
清浄 洗浄 湿式洗浄・乾式洗浄 油脂類の除去
除錆 浸漬除錆・ブラスト・液体ホーニング・バレル研磨 スケールの除去、錆の除去
研磨 機械研磨・化学研磨・電解研磨・化学機械研磨 平滑光沢化
エッチング 化学エッチング・電解エッチング・乾式エッチング 表面形状の創製
ショットピーニング 中・低速ショット・高速ショット 耐疲労性、スケールの除去
印刷 凸版印刷・凹版印刷・平板印刷・孔版印刷 表面加飾
塗装 スプレー塗装・静電塗装・電着塗装・粉体塗装 耐食性、装飾性
ライニング 樹脂ライニング・硝子ライニング 耐食性、耐摩耗性
湿式めっき 電気めっき クロムめっき・銀めっき その他多種 油脂類の除去
化学めっき(無電解) Niめっき・粒子分散めっき 耐食性、耐摩耗性
溶融めっき 溶融亜鉛めっき・溶融アルミめっき 耐食性
化成処理 りん酸塩処理・りん酸鉄処理・クロメート処理 塗装下地、耐食性、摺動特性
陽極酸化 鉄鋼への陽極酸化・アルマイト 耐食性、耐摩耗性、着色
乾式めっき 物理蒸着法(PVD) 真空蒸着・スパッタリング・イオンプレーティング 耐摩耗性、摺動特性、光学特性
化学蒸着法(CVD 常圧熱CVD・減圧熱CVD・プラズマCVD 耐摩耗性、摺動特性
イオン注入 高エネルギー注入・中エネルギー注入 電気特性、耐摩耗性、耐熱性
表面熱処理 表面焼入れ・浸炭焼入れ・窒化処理・拡散浸透 耐摩耗性、摺動特性、耐疲労性
溶融処理 クラッディング・アロイング・グレージング 耐摩耗性、耐熱性、耐食性
溶射 ガス式溶射・電気式溶射 耐摩耗性、耐食性、耐熱性

参考文献 はじめての表面処理技術 ㈱工業調査会より抜粋 

日鉄ステンレス㈱の高強度ステンレス鋼ラインナップ

Nippon Steel Stainless Co., Ltd's high strength stainless steel lineup

表1. 供試材の化学成分 (mass%)

鋼種/元素 C Si Mn P S Ni Cr Cu N その他
SUS304 0.060 0.55 0.80 0.030 0.004 8.20 18.25 0.85 0.030 -
NSS431DP-1 0.051 0.58 0.26 0.022 0.001 0.97 16.25 - 0.012 -
NSSHT980 0.045 0.66 0.29 0.020 0.005 4.02 12.76 - 0.008 Ti:0.38
NSS431DP-2 0.065 0.50 0.30 0.025 0.001 2.00 16.30 - 0.010 -
NSSHT1770 0.042 1.53 0.30 0.025 0.004 7.21 14.70 0.70 0.009 Ti:0.39
NSSHT2000 0.086 2.63 0.31 0.027 0.001 8.25 13.73 0.17 0.064 Mo:2.24
SUS420J2 0.330 0.45 0.55 0.030 0.006 0.12 12.56 - 0.019 -

表2. 機械的性質(板厚 : 0.7㎜)

鋼種 0.2%耐力 (N/㎜²) 引張強さ(N/㎜²) 伸び(%) 硬さ(Hv) 特徴
SUS304 284 659 60 160 代表的オーステナイト系ステンレス鋼
NSS431DP-1 626 869 14 279 2相ステンレス鋼
NSSHT980 860 1000 7 310 750℃以上からの焼入により高強度
NSS431DP-2 985 1195 10 378 2相ステンレス鋼 平坦度良好
NSSHT1770 1750 1770 5 530 代表的析出硬化型ステンレス鋼
NSSHT2000 2059 2154 2 610 時効硬化大。加工性、金型寿命優
SUS420J2 1190 1560 6 475 焼入・焼戻処理後 刃物等に使用。

表3.物理的性質

鋼種 物理的性質 比重 ばね限界値
ヤング率
×10³
熱膨張係数
×10⁶㎝/㎝/℃
20~100℃
熱伝導度
W/m・℃
100℃
素材 時効後
SUS304 194 17.3 16.3 7.93 - -
NSS431DP-1 200 10.3 19.9 7.73 - -
NSSHT980 206 10.8 20.5 7.73 650 -
NSS431DP-2 201 10.3 19.9 7.73 610 1575
NSSHT1700 196 10.9 15.9 7.74 650 1961
NSSHT2000 200 15.0 21.0 7.80 750 1259
SUS420J2 201 10.3 24.9 7.70 - -

NSS431DP-2

特長

  • 1

    16.5%Cr-2.0%Niを主成分としており、優れた耐食性を示します。(SUS301と同等です。)

  • 2

    複相化処理後の引張特性の強度-延性バランスに優れています。

  • 3

    複相化処理後の引張特性の強度-延性バランスに優れています。

  • 4

    微細混合組織(フェライト+マルテンサイト)を呈しており、打ち抜き性が良好です。(金型寿命が長くなります。)

  • 5

    400℃~500度の短時間事項処理で、約1500N/m㎡級のバネ限界値が得られます。

  • 6

    約500℃までの耐ばね性を有しており、温間での耐へたり性に優れています。

  • 7

    SUS304,301の大滞在としても使用できます。(オーステナイト系ステンレスより安価です。素材、加工部品のコストダウンが可能です。

  • 8

    幅1000ミリメートル以上の広幅コイルでの供給が可能です。

  • 9

    板厚4.0mmの厚板も製造可能です。

  • 10

    板厚4.0mmの厚板も製造可能です。

用途例

  • 1

    フレーム関係(ステンレスフレーム、ダイシング・ソー、テープフレーム)

  • 2

    プレート関係(ラッピングキャリア、プレスプレート、養生板)

  • 3

    ばね関係(事務用クリップ、ヘアーピン、アースばね、ステンレスバンド)

  • 4

    自動車部品関係(リテーナ、ブレーキマスターキー、メタルガスケット)

  • 5

    その他高強度部品(雨樋留め金具、測定工具(直尺)、ヘアーピン、物干し竿、)

  • 6

    刃物(ファクシミリカッター刃、アップルカッター刃)

  • 7

    パンチングメタル、グレーチング、ディスペンサー、弁材料、メタルマスク

異種金属接触腐食について

About dissimilar metal contact corrosion

異種金属接触腐食について

金属名 イオン 原子量 標準電極電位(ボルト)
Au+ 197.2 +1.50
白金 Pt+++ 195.23 +0.86
パラジウム Pd++ 106.7 +0.82
Ag+ 107.88 +0.799
水銀 Hg++ 200.61 +0.792
Cu++ 63.54 +0.345
ヒ素 As+++ 74.91 +0.3
アンチモニー Sb+++ 121.76 +0.1
ピスマス Bi+++ 209.0 +0.1
(水素) H+ 1.008 ±0
Pb++ 207.21 -0.132
Sn++ 118.70 -0.146
ニッケル Ni++ 58.69 -0.248
コバルト Co++ 59.94 -0.278
Fe++ 55.85 -0.426
カドミウム Cd++ 112.41 -0.397
クローム Cr+++ 52.01 -0.51
亜鉛 Zn++ 65.38 -0.762
マンガン Ma++ 54.93 -1.000
アルミニウム Al+++ 26.97 -1.337
マグネシウム Mg++ 24.32 -1.55
ナトリウム Na++ 22.997 -2.713
カリウム K+ 39.10 -2.922

異種金属接触腐食は、『異なる種類の金属材料が電気的に接触し腐食環境中で相互に影響し合って生じる腐食現象』です。

例えば鉄片(亜鉛より高電位。ここではカソード部品と呼ぶ)と亜鉛片(鉄より低電位。ここではアノード部品と呼ぶ)をリード線で接触して海水中に浸漬すると、各材料の腐食速度は単独で浸漬した場合に比べ、それぞれ異なる値を示します。一般に単独浸漬した場合に比べカソード部品は腐食速度が減少し、アノード部品は増大します。この現象は両部品間で電気化学的相互作用が生じた結果です。実構造物における代表例がトタン板です。亜鉛めっき層に傷が付いた場合、

①下地の鉄露出部分→②両金属の電気的接触部分→③亜鉛めっき層→④腐食液→①・・・と電気回路が構成されることで亜鉛が犠牲的にアノード溶解し、下地の鉄露出部分がカノード分極され腐食速度が減少することになります。

コラム・・・【犠牲防食】

前述のように、亜鉛などのイオン化傾向の大きい金属を鉄鋼材料などに接触させておくと、亜鉛などが犠牲的に腐食して鉄鋼材料などの腐食を抑制する ことを犠牲防食といいます。亜鉛が先に腐食して電子を放出することで鉄に電子を供給し、鉄の電子放出を妨げることで防食効果が得られます。このよ うな状態を局部電池と呼びます。船舶では、亜鉛を船体に取り付けることで、スクリューなどの重要部品を腐食から守っています。冒頭でカソード・ア ノードと表現したイオン化傾向の優劣は一般には貴・卑とも表現されます。異種金属の接触がある場合は、この電位差を考慮しましょう。


異種金属接触腐食の損傷防止策

表.異種金属接触腐食損傷を防止する一般的手法

※クリックすると拡大して表示されます。

上表は異種金属接触腐食の損傷防止策である。ここでは、海水流体機械部品をイメージして作成した。

A-1~A-3は材料間の上記相互作用そのものを絶とうとする手法、B-1~B-3は相互作用が存在しても損傷の程度を縮小させる手法である。

A-1は材料間を被覆・絶縁し材料間の回路抵抗を増大させる手法である。

A-2は腐食電位差を小さくする手法である。そのためには左図が参考になる。
同図は常温海水環境中に静止浸漬した各種材料の腐食電位である。
同図を用いて、両材料の腐食電位差が小さくなるよう材料選択する事が出来る。


図.常温海水中に於ける各種金属の腐食電位

金属と音について

About metal and sound

ここでは金属が発する音について考えてみたいと思います。金属の種類によって、叩いた時に発する音が幾分か違います。どんな金属がどんな音を発するのでしょうか?どんな金属が良い音色を出すのでしょうか?予め申し上げておきますが、“良い音色”に関しては結論づける事はできておりません。解る範囲で記述しておりますが、もし関連の知識をお持ちの方がいらっしゃいましたら情報をお寄せいただきますようお願い申し上げます。


良い音色を出す金属について

まずは打楽器に使われている素材について調べてみました。分かり易いところで『トライアングル』を調べてみると・・・安価なもので→鉄 高価になると→燐青銅・・・でした。

その他に考えられる音を出す金属用途材質を探ってみると、

  • 1

    風鈴
    これにはそれこそ様々で、アルミ、真鍮、ステンレスとなんでもいいのか?という感じでした。

  • 2

    鐘鐘・・・・・・・・青銅
    しかし東洋の鐘がゴ~ンという重低音であるのに対して西洋の鐘はカンコンという高い音がします。これは同じ青銅(銅と錫の合金)でも錫の含有量の差(西洋の方が錫含有量が多い)によって組織構造が違うためと指摘されています。

  • 3

    御鈴
    これには興味深いものがありました。18金を使っていますが、他の金属と違って18金は余韻が長いらしいのです。さらに1000トンプレスで高圧を加えることにより金属分子を硬化させることによって残響に効果があるらしいです。 松本徽章様のHPより

  • 4

    オルゴール・・櫛歯(コーム)=鋼鉄製
    ここでも面白い発見をしました。音階は櫛歯の長さだけでなく、低い音は歯の太さをより太くする事で調整しているらしいです。ちなみに日鉄日新製鋼㈱殿ではNKS37という鋼種をオルゴール振動板として供給しています。(房杢琴館のHPより)

  • 5

    フルート・・・・金、銀、白金
    フルートは直接叩いたりして音を比較するものでは無いのですが、その材質によって音色が変わるらしいのです。(鎌倉新フルート合奏団・合奏団たより より)

  • 6

    ギター・・・・・チタン(サドル部)
    ギターに金属とはイメージが湧かないのです(編集者が弾けない為)が、本格的なヒントを得る事ができました。K.T.S Titanium Sectionでは金属と音の関係について下記のように記述されています。

チタン

音響的に優れた金属としての第一条件として、内部減衰率の低さがあげられる。すなわち、弦の振動によって発生した波動を物質内部で吸収してしまうことなく、ボディーへと伝えることができるのだ。稠密六方晶と呼ばれる、その独特な結晶組織に起因するものと考えられているが、それがまた、弦振動の安定性をも生み出している。もうひとつ、従来から音響材料には、 E( 縦弾性係数 ) /ρ( 密度 ) の値の高いものがよいとされている。わかりやすく言うと、軽くて曲がりにくい材料がよいということだ。チタンは、この条件も併せ持っているといえよう。

上記のチタンに関する記述で『音響材料には、E(縦弾性係数)/ρ(密度)の値の高いものがよい』というのが事実であれば、主な金属の音響効果は下表のように順位付ける事ができるという事になります。

材質 ①縦弾性係数(KN/㎜²) ②密度(g/㎝³) ①/②
鉄(SPCC) 210 7.86 26.7
ステン(SUS430) 204 7.7 26.5
ステン(SUS304) 194 7.93 24.4
アルミ(A1100) 68.6 2.7 25.4
ジェラルミン(A7075) 71.6 2.8 25.6
88 19.32 4.6
100.5 10.49 9.6
136 8.96 15.2
15.7 11.36 1.3
チタン(1種) 106 4.51 23.5
真鍮(C2680) 98 8.5 11.5
リン青銅(C5191) 98 8.6 11.4
鋼(SK5)熱処理前 204 7.86 25.9
鋼(SK5)熱処理後 7.86

ちなみに音速の計算方法は、媒質(空気に代表されるような、音を伝える物質)の弾性率を密度で割り算したものの平方根です。
音速(m/秒)=√弾性率(Pa)/密度(kg/m3)
ということは、言い換えると(媒質となった場合の)音速が速いものほど音響効果がある金属・・という事になります。さらに・・・固有音響抵抗値(音響インピーダンス)という指標があります。これは空気を単位速度で振動させるのに必要な圧力を示すものですが、これは≒音速×密度で求められます。この数値で追うと、固有音響抵抗の高いほうが良い音色を出すような気もします。そういえば駅員さんがハンマー検査による音の違いで金属内部のクラックや巣を発見できるという事は、金属の密度に部分的な差を生じているからでしょうし、金属の密度は音に大きく影響する事は確かなようです。

媒質による音速の変化(音速は温度によって変化する)
媒質 音速(m/秒) 密度(kg/m³) 弾性率(Pa) 固有音響抵抗ρc [106・Ns/m³]
空気 341 1.2 14×104 409E-6
1480 1000 2.2×109 1.48
3940 900 14×109 3.5
5290 7860 220×109 41.6
ガラス 4000~5500 2200~2600 60~80×109 8.8~14.3
3500~4500 300~800 3.7~10×109 1.05~3.6
ポリエチレン 2300 1100 5.8×109 1.75

しかし考えてみるとトライアングルや鐘等の音色は共鳴効果による要因が 大きいのでしょうし、金属単体が出す音色について優劣をつけるのは難しい事のようです。解らなくなったところで、音について少々調べてみましたので参考にしてください。 


音の正体

音の正体を一言で言えば空気の振動です。空気の運動や疎密の変化を振動として耳の鼓膜で受け止め、神経信号に変換されて脳へと伝達されたものが“音”として認識されます。太鼓の場合で例えてみましょう。太鼓を叩くと、太鼓の皮が盛り上がったりへこんだりする運動を繰り返します。すると、太鼓のまわりは空気で隙間無く満たされていますので、皮の動きと共に空気も押されたり引かれたりします。この時空気は押し縮められたり引き延ばされたりしています。つまり、空気は押し縮められて“密”になったり、引き延ばされて“疎”になったりするのです。

つまり太鼓の音は打撃によって生じた皮の振動が空気の疎密の変動を引き起こし、それが空気中を伝わって、我々の耳に届いたものなのです。この場合、太鼓の音が耳に届くのは耳と太鼓との間に空気があったからです。もし真空状態であったならいくら強く叩いても音はしません。この場合の空気のように、音を伝える物質を媒質と言います。普通は空気が媒質となる場合が多いのですが、空気に限らず、他の気体であっても固体・液体であっても、媒質として音を伝える事ができます。但し、前述の表に示すように、音を伝える速度は、媒質によって大きく変化します。
周期 =音が振動を繰り返すのにかかる時間 1000Hz=0.001秒
波長 =音圧の最大点から次の最大点までの距離


音の高低

音には高いと感じる音と低いと感じる音があります。この違いはどこからくるのでしょうか?音は媒質の繰り返し変化(振動)ですから、その振動には繰り返しのパターンがあります。音の高低は、この振動の繰り返しの回数によって決まるのです。一般に、音の高さは1秒当たりの繰り返し回数を示す周波数によって表されます。周波数の単位はヘルツ(Hz)を用いられ、低い音は周波数が低く、高い音は周波数が高くなります。人間が耳で聞くことが出来る音の範囲を可聴域と言い、低い方で20Hz、高い方で2万Hz位になります。20Hz以下を超低周波、2万Hz以上を超音波と言います。ちなみに時報のピィ・ピィ・ピィ・ポーンでは、ピィで440Hzポーンで880Hzになっています。


音の大小

音は疎密波であると説明しましたが、これは大気圧からの圧力変動であるとも言えます。この変動分を音圧と呼んで、音の物理的大きさを 表します。音圧は圧力であるので力の単位Paパスカル を使います。1paは1m2に1N(ニュートン)=約0.1㎏の力が働いている状態です。ところで、1気圧は約1000hPa(ヘクトパスカル、「ヘクト」は100倍の意味)すなわち10000Paです。

主な音の音圧レベル 着圧Pa 着圧レベルdB
最小可聴音 0.00002 0
ささやきの声(1m) 0.0002 20
会話(1m) 0.02 60
電話のベル 0.2 80
地下鉄の車内 0.5 90
飛行機のエンジン付近(50m) 20 120

では、一般に存在する音の音圧はどれぐらいでしょうか?相当小さい音で1/10000Pa以下、大きい音で1Pa位、10Paでは耳が痛くなります。大気圧と比べてずっと小さな圧力変動であることが わかります。平均的な成人男子が聞き取れる最も 小さな音は4kHz付近の周波数で0.00002Pa と言われており、これを最小可聴音と言います。 これを基準として何桁大きいかで音の強さを 表します。数学でこれを対数表示と言いますが、 これがB(ベル)と言う単位です。実際には桁数に 20をかけたdB(デシベル)と言う単位を使っています。


音の大きさと周波数の関係

人間の可聴音の周波数範囲は20~2万Hzであるが、同じ周波数範囲であっても、耳の感度は周波数によって大きく異なります。一般に人の聴覚は4kHz付近で最も感度が良くなり、低い周波数や高い周波数では感度が落ちるという性質を持っています。赤ちゃんの泣き声や女性の悲鳴がこの最高感度4kHzに近い声なのでよく聞こえます。反対にそれより低い音や高い音には感度が低いので、同じ大きさに聞こえた場合は実際の音圧レベルはずっと高いはずです。したがって、騒音のように、人が感じる大きさを表現すべき場合は、人間の耳の感度の周波数特性で補正した値で議論するのです。これをラウドネスと言います。どの周波数のどれ位の音圧レベルの音が同じ大きさに聞こえるかを表したものが、右に示す「等ラウドネスレベル 曲線」です。
ラウドネスは「フォン」という単位で表し、1000Hzで40dBの音圧の音と同じ大きさに聞こえる音を40フォンとしています。例えば同じ40dBの音圧レベルでも、100Hzならば35フォン程度、50Hz近辺にまで下がると殆ど聞こえなくなってしまいます。


音源の大きさと音の関係

振動して音を出すものを見てみると、どれもある程度の大きさを持っています。太鼓の場合でも大きい太鼓の方が大きい音が出ますし、弦楽器では弦そのものは細くても、弦の振動を胴に伝えて胴が鳴る事で大きな音が出ます。これは、大きな面積が振動すると動かされる空気の量が多くなるからで、それだけ大きなエネルギーが放出されるのです。振動する速度と振動する面積を掛け算したものを体積速度と言います。


音の弱まり

音は遠くに行くほど弱まっていきます。この現象を音波の減衰と言います。

理由1

拡散減衰

音は音源から球面状に広がっていきます。すると当然ながら遠くへ行けば行くほど球面波の面積は大きくなります。すると単位面積あたりの音のエネルギーは小さくなっていくことになります。

理由2

吸収減衰

音は空気などの媒質による伸縮作用によって発生するわけですが、この場合にも伸びたり縮んだりする際に熱が生じエネルギーを消費します。吸収減衰によるエネルギーの損失は一般に周波数が高いほど大きくなって、遠くまで音が伝わりにくくなります。遠くに鼓笛隊がいた場合に大太鼓の音ばかりが聞こえるのはそのためです。


共振(共鳴)とは?

並べた音叉の一方を鳴らすと、もう一方の音叉が鳴ります。これは叩く力は小さいのですが、音叉の振動しやすい周波数に一致しているために、よく振動するのです。このように、物がある程度の周波数でよく振動する現象を共振(共鳴)と言い、この振動しやすい周波数を共振周波数と呼んでいます。例えばヨーヨー遊びの場合、これも振幅運動ですが、タイミング良く手を動かせば、わずかな力でもヨーヨーはより大きく振幅運動を続けますし、タイミングがずれたら止まってしまいます。この、うまくいく時の手の振幅が共振周波数ということです。


純音と復合音

音の説明のために使われるきれいな波形は正弦波(サインカーブ)と呼ばれる最も基本的な波形です。このような正弦波で表される音はピーという単純な物で、純音と言われています。聴力検査の時に聞かされる音がこれです。純音の場合は、周波数と音圧がはっきりしていればその音の性格を完全に表現できます。実際には自然界に存在する音と違って、人工的な感じのする音であり、音色を感じるようなものではありません。純音に対して2つ以上の純音が入り混じった現実的な音を複合音と言います。純音以外はすべて復合音と考えて下さい。ですから私たちが日常耳にするのは殆ど復合音です。復合音にも様々な音があります。
例えばテレビ終了後のザーという雑音は、あらゆる周波数の純音が一様に混じった物で、脈絡のない音です。一方、いくつかの周波数で強い成分を含む音は、楽器などでよく見られます。普段音として意識するものには、このような音が多いのです。特に楽器の音の場合、その音の成分中最も周波数が低く強い成分(基音)の、整数倍の周波数成分が強いのが普通です。こうした、周波数が基音の整数倍である成分を倍音といい、倍音が含まれた復合音は音色が強く意識されます。発生した音がどのような復合音を持つかは発生メカニズムによって決まります。


ピッチと周波数

音の高さは1秒間の振動数、すなわち周波数で表せると説明しましたが、周波数では純音しか言い表せません。複合音の周波数は○○Hzと一言では表現できないのです。しかし実際には復合音を出している楽器の音の高さを言い当てることが出来ますし、ピアノのドの音もトランペットのドの音も音色は違いますが同じ高さの音と認識できます。実際、これらの音の時間波形をオシログラフで観測すれば、ずいぶん違ったものになります。このように、耳で聞き分ける事が出来る音の高さを音のピッチと呼びます。大まかには、倍音が存在する複合音の場合、その基音がピッチを決めているといえます。周期波形の最も基本的な繰り返しパターンがピッチを決めるのです。


正弦波と共振

両端を固定した弦は、その長さの2倍を波長とする周波数で振動します。ある特定の周波数でよく振動するのは共振の為です。この共振現象は一種の周波数フィルターとして作用します。つまり、いろいろな周波数を含んだ複合音から、単一の周波数を持った純音を作ることが出来るのです。先程ヨーヨーで例えたように、無理な力を加えてもヨーヨーは巧く運動しません。ある特定の自然な力を加えることによってスムーズに動くのです。これはある周波数だけに反応しているからです。つまり、ある周波数だけを通すフィルターなのです。ピアノを調律する音叉のチ~ンという澄んだ音も、共振によるものです。多少叩き方が違っても同じ高さの音が得られます。物を叩く力の波形は鋭く切り立った物になりがちですが、このような波形は様々な周波数の成分を含んでいます。この内、音叉の共振周波数の成分だけが音叉を振動させるのに役立つのです。弦が倍音でも振動するように、どんな物でもいくつかの共振周波数を持っていて、それぞれの共振周波数でよく振動します。だから、叩いたりはじいたりした場合にはいろいろな共振が同時に起こるのが普通です。共振周波数とその共振の度合いは形状や材質で異なります。弦のような単純な物以外では、共振周波数どうしは正確な倍数関係にないことが多いのです。こうして楽器はそれぞれに特有の音色がするようになるのです。さて、音響学について基本的なところを学んできました。ここで再び「金属が発する音」について考えてみたいと思います。冒頭で金属が発する音、と表現しましたが、お解りのように、金属が音を発する訳ではありません。音は金属が振動を起こす事によって空気が振動する為に起こるのです。丁度、金が金色に見えるのが光の反射分光特性の為であるのに似ています。
(参考技術資料 金属と光について)
という事は、金属の音の違いを考察するには、その金属がどのような振動の仕方をするのかがポイントになります。例えば鉄棒を床に置いて上から叩いた場合はコンという短い音を出すだけですよね。ところが鉄棒を宙づりにして叩いた場合はコ~ンと余韻が残ることはご理解頂けると思います。これは叩いた後でも鉄の振動が継続する状況にあるために、空気も振動を続けるのです。ということは、いつまでも振動を続けるような金属の方が、余韻という音響効果はあるようです。つまりはバネ性のある(弾性係数の高い)金属という事になりますね。おなじみ横山ホットブラザースのノコギリ音楽「お~ま~え~は~あ~ほ~か」のようなものです。(あれはノコギリを曲げる事によって周波数を変えてますが・・)ところが良い音色となると話は別です。先程、叩く音の波形は比較的鋭く切り立ったもので多くの周波数成分を含んでいると説明しましたが、良い音色というのは多くの倍音成分を含んだ音であると言えます。また、周波数の高いもの程減衰作用が働く為に、高倍音の音成分程早く消えていく事も音色には影響するでしょう。このように、その金属がどんな音を出すのか・・というのは非常に繊細な条件設定が必要であって、試験片となる金属の、ちょっとした違いが優劣に左右するものと思われます。

金属が(叩いたときに)良い音色を出すのに有効と思われる条件

  • 1

    弾性係数が高いこと→条件にもよるが、振動の継続が見込まれる 

  • 2

    固有音響抵抗値が高いこと→音の反射率が高い


音響工学には固有の術語や単位系が多く存在します。ここでは基礎的なそれらの定義を行います。

瞬時音圧: p [Pa]

音波の瞬間の圧力

実効音圧: P [Pa]

瞬時音圧の実効値、単に音圧とも呼ばれる

P = √(1/t ∫0ª p dt) [Pa]

基準音圧: P0 [Pa]

音圧の基準値

P0 = 0.00002 [Pa]

音圧レベル: Lp [dB]

基準音圧に対する実効音圧の対数表示

Lp = 20log(P/P0)

空気の密度: ρ [kg/m³]

温度: τ [℃]
音速: c [m/s]

c= 331.45+0.607τ

固有音響抵抗: ρc [Pa/(m/s)]

空気を単位速度で振動させるのに必要な圧力

音の強さ: I [W/m²]

音の伝搬方向に対して垂直な単位面積を単位時間に通過する音のエネルギー

I = P²/ρc

音の強さの基準値: I0 [W/m²]
I0 = P0²/ρc = 10-¹²

音の強さのレベル: LI [dB]
LI = 10log(I/I0)

音響エネルギー密度: ωa [J/m³]

単位体積に含まれる音響エネルギー

ωa = I/c = P²/ρc²

基準音響エネルギー密度: ω0

[J/m³]

ω0 = I0/c = P02/ρc²

音響エネルギー密度レベル: Lω
[dB]
Lω = 10log(ωa/ω0)


透過損失(TL)

遮音材料の性能で表す値で、材料に入射する音の音圧レベルに対し、透過する音の音圧レベルがとれだけ低下したかをdBで表す。また、透過損失は、材料の質量(kg/m2)と周波数の積の2乗の対数にほぼ比例する。すなわち質量の大きいほど一般には透過損失も大きくなる。これを質量法則という。具体的には、重さが2倍になると4~5dB遮音がよくなる。

材料 厚さt [mm] 面密度ρs [kg/m2] 透過損失TL [dB]
周波数f [Hz]
125 250 500 1000 2000 4000
ラワン合板 6 3.0 11 13 16 21 25 22
石綿セメント板 4 7.1 19 22 23 29 34 36
石膏ボード 9 8.7 20 22 25 28 34 23
板ガラス 6 15.0 20 27 31 31 26 37
鉄板1 1 8.2 17 21 25 28 34 38
鉄板2 4.5 36.9 28 33 37 41 40 38
鉛板 1 11.3 28 26 29 33 38 43

騒音対策の詳細HPはこちら

http://www.acoust.rise.waseda.ac.jp/publications/koyasu/k7.pdf

上記URLでは音響工学の詳細データが閲覧できます。

http://www.acoust.rise.waseda.ac.jp/publications/onkyou/onkyou.html

金属と光について

About dissimilar metal contact corrosion

光は電磁波の一種です。つまりテレビやラジオの電波と同じように電界と磁界が振動しながら伝わっていきます。
金属中に光が入ると金属中に振動電界ができます。この電界を受けて自由電子が加速され集団的に動きます。
電子はマイナスの電荷を持っているので、電位の高い方に引き寄せられます。
その結果、電位の高い方にマイナスの電荷がかかり、電位の低い方にプラスの電荷がかかって電気分極が起こります。
このことは外から金属に光の電界が進入しようとすると、逆向きの電気分極が生じて電界を遮蔽してしまって光は金属中に入れないことを示しています。
光が入れないということは、言い換えれば光が全部反射されてしまう事を意味します。


光学用語

可視光
可視光とは、人間の目に光として感じられる波長を持った電磁波です。
単位nm(ナノメーター)
太陽の光やランプの光など私たちの目に入って明るさを感じさせる光を可視光と呼び、紫外線や赤外線などの目に見えない光と区別しています。
可視光は個人差がありますが380nm~780nmの間にあるとされています。
1nm=1×10-6㎜
拡散反射(乱反射)
実際の身のまわりには,ピカピカと光沢感を持ったものはそれほど多くはありません。多くの物体の表面はつや消しのような状態になっています。これは物体の表面に細かい粗さがあるためです。このような物体では当たった光はあらゆる方向に拡散してしまいます。このような反射を拡散反射といいます。 金属などでは滑らかな表面でよく反射し,布などの素材では反射が弱くなります。 拡散反射が強いほど,発色が鮮やかになります。
鏡面反射(正反射)
光沢のある面では,光源の映りこみ現象が起き,明るく光って見える。これを鏡面反射といいます。鏡面反射では,入射光の角度に等しい角度から見たとき に最も明るく見え,視点の角度がずれるにつれ,急激に明るさは低下します。 反射して明るい部分(ハイライト部)は光沢度合いが大きいと小さくなり,単位面積あたりの明るさは明るくなります。
反射率
光を反射する割合です。反射率が高いほど鏡に近くなります。
透明度
完全に透明にしてしまうと見えなくなってしまいます。ガラス等の場合にも透明度は100%ではありません。
光沢度
日本工業規格(JIS)では、ピカピカさをあらわす尺度として「光沢度」を定めています。
この規格では、可視光を60°で入射したときの鏡面反射率が10%となる、屈折率1.567のガラス面を光沢度100と規定しています。
反射率と拡散反射

反射率が高い場合、通常はその物体自体の色は見えにくくなります。反射率が同じ場合には拡散反射は低い程鏡に近い感じになります。物体に光が入射すると、表面で一部は反射されたり、一部は透過・吸収されます。反射光は、物体表面の特性に応じて、鏡面反射光と拡散反射光の二種類に分けられますが、多くの場合、両者が組み合わされた形で反射します。
鏡面反射と拡散反射がどのような比率になるかは物体の表面粗さに大きく影響を受けます。平滑な面であればあるほど鏡面反射率が高くなります。実用ミラーには様々な種類がありますが、基板として用いられる代表的な材料はガラス・樹脂・アルミ・ステンレス等があげられます。この中で最も表面を平滑にできるのはガラスになります。各基板に反射剤として同じアルミを蒸着した場合、それぞれ90%以上の反射率を得る事はできますが、鏡面として像を返す力はガラスがベスト、次いでステンレス研磨品になります。

分光特性
物質の光に対する透過率や反射率などの性質は光の波長によって異なります。これをその物質の分光特性といいます。波長毎に求めてグラフや表として示されます。

なぜ金は金色なのか?
視細胞には赤・緑・青に感じる3種類のものがあり、その刺激の割合によって色を感じています。金Auは赤と緑の反射率が90%以上と高く、青の反射率が50%以下と低くなっています。そのために黄色系の金色に見えるのです。同様に、銅Cuは赤の反射率が高く、緑と青の反射率が60%程度に落ちているため比較的赤っぽく見えます。一方、銀Agは可視光全域にわたって90%以上の反射率を示すので白く見えるのです。

下記のデータは各種金属膜の反射率データです。(%)

波長λ (nm) Ag Al Au Cu Ni Pt Rh Sn
紫外線域(280) 25.2 92.3 37.8 33.0 37.6 43.1 68.5 λ=251
17
紫色  (400) 94.8 92.4 38.7 47.5 λ=361
41.2
λ=361
52.4
77.6 λ=357
27
赤色  (700) 98.5 89.9 97.0 97.5 68.8 69.0 80.4 -
赤外線域(1000) 98.9 93.9 98.2 98.5 72.0 77.0 85.0 -

表から解るように、金属のなかで色のバランス良く、しかも高い反射率を持つ金属は、銀>アルミ>ロジウムの順になります。ステンレスミラーの場合はFe・Ni・Crの合金ですので表には含まれておりませんが、Niに近いと考えて下さい。やはり青を返す力が比較的低い為、銀と比べると赤いというより暗く感じるはずです。
そこでステンレスミラーを明るくしたい・・・という場合にはアルミ・ロジウム等の金属を蒸着・めっき処理することによって明るくする事ができます。

各種金属材料のn値,r値(ランクフォード値)と成形性

N value, r value (Rankford value) and formability of various metal materials

各種金属のn値,r値

材質 n値 r値 材質 n値 r値
リムド鋼 0.18 1.32 純銅 0.44 0.90
Al キルド鋼 0.23 1.88 無酸素銅 0.49 0.89
Ti キルド鋼 0.26 2.06 70/30黄銅 0.49 0.77
0.6C鋼(熱処理) 0.15 - 65/35黄銅 0.53 0.88
ステンレスSUS304 0.45 1.0 60/40黄銅 0.44 0.87
ステンレスSUS304L 0.45 - 18%Ni洋白 0.42 0.89
ステンレスSUS316 0.4 1.0 純Ti (1種) 0.15 5.28
ステンレスSUS430 0.20 1.2 純Ti (2種) 0.14 4.27
ステンレスSUS444 0.21 1.7 Ti-5Al-2.5Sn 0.05 1.94
A1100 0.24 0.86 Ti-6Al-4V 0.01 1.48
A3003 0.19 0.67 Ti-2Cu 0.13 1.96
A5052 0.24 0.67 Ti-15Mo 0.22 1.49
A5082 0.22 0.85 - - -

r値は材料の調質によって変化する値です。ここでは代表的な表を示しました。

r値(ランクフォード値)
板の厚み方向と、板幅方向のどちらの方向に変形しやすいかという、塑性ひずみ値を表します。
r値は深絞り性を示すものとされ、r値の大きい方が深絞り性が良くなります。
n値(加工硬化係数)
加工硬化の度合いを表します。下記の計算値で表されるときのnの値で、0~1の間の範囲にあり、この値が大きいと加工硬化の程度が大きくなります。
n値は張出し成形性を示す一つの指標とされn値が大きいほど張出し成形に対し有利です。

材料の絞り性について

絞り加工製品の形状は様々で、すべてに的確な答えを出すことはできません。
そこで、円筒形状について「どのくらい絞れるか」または「どのくらい破断したか」を目安にして、実際の成形に利用します。
円筒絞りにおいて、絞り率は以下の式で求められます。

m=d/D

m=絞り率
d=パンチ直径㎜(成形品の内径)
D=ブランク直径㎜

絞り率(m)は、1よりも小さな数値で、小さい数値になるほど製品直径に比べて深く絞ることができます。
この絞り率(m)の逆数を、絞り比(Z)として利用します。

Z=1/m=D/d

絞り比(Z)は、1よりも大きな数値で、大きな数値になるほど製品直径に比べて深く絞ることができます。
絞り加工が可能な最大ブランク径を用いることで、限界絞り比(L.D.R)を算出します。

L.D.R.=Dmax/d

材料 L.D.R
軟鋼板 (SPCC) 2.18
(SPCE) 2.21
ステンレス (SUS304) 2.33
(SUS430) 2.10
アルミニウム (A1100) O材 2.10
(A1100) 1 2H材 2.03
純銅 (冷延のまま) 1.88~2.04
(焼なまし250℃,1h) 2.00~2.06
チタン (O材) 2.45
(H材) 1.91
亜鉛 (150℃15min→冷延→100℃,
1h焼なまし)
1.43~1.82

O材=軟質材 H材=硬質材
参考文献 金属データブック 丸善株式会社

各種金属材料の溶接難易一覧表

Welding difficulty list of various metal materials

材料 融接 圧接 ろう付け
ガス溶接 被覆アーク溶接 サブマージアーク溶接 炭酸ガスアーク溶接 イナートガスアーク溶接 エレクトロスラグ溶接 電子ビーム溶接 プラズマ溶接 点・シーム溶接 火花突合せ溶接
鋳鉄 A A C D B B C D D D C
鋳鋼 A A A B B A B D B B B
低炭素鋼 A A A A B A A B A A A
高炭素鋼 A A B C B B A B B A A
低合金鋼 B A A B B B A B A A A
ステンレス鋼 A A B B A C A A A A A
耐熱超合金 B A B C A D A B B B A
高ニッケル合金 A A B C A D A B A B A
銅合金 B A C C A D B B C C A
アルミニウム B C C D A D A B A B B
ジュラルミン C D D D B D A B A B C
マグネシウム D D D D A D B B A A C
チタン D D D D A D A B B C B
チタン合金 D D D D A D A B C C B
ジルコニウム D D D D A D A B C C C
モリブデン D D D D A D A B D C D
ニオブ D D D D A D A B C C C

A:一般に使用  B:ときに使用  C:まれに使用  D:使用しない

参考文献 金属データブック  丸善

特殊鋼  JIS規格の変更

Change of special steel JIS standard

炭素工具鋼鋼材:JIS G4401/2000、みがき特殊帯鋼:JISG3311/2004に関しまして、表示記号の一部が変更されております。
主な変更点は下記の様になります。

1.表示記号:C%表示に変更されます。

  • SK1→SK140
  • SK1M→SK140M
  • SK2→SK120
  • SK2M→SK120M
  • SK3→SK105
  • SK3M→SK105M
  • SK4→SK95
  • SK4M→SK95M
  • SK5→SK85
  • SK5M→SK85M
  • SK6→SK75
  • SK6M→SK75M
  • SK7→SK65
  • SK7M→SK65M

硬度換算表

Hardness conversion table

ビッツカース
硬さ
(DPH)
ブリネル硬さ
10㎜球荷重3000㎏
ロックウェル硬さ(2) ロックウェル特殊硬さ
特殊brale圧子
ショア
硬さ
抗張力
N/㎜
標準
1hilti
gren球
タングス
テンカーバイト球
Aスケール
荷重60㎏
brale
圧子
Bスケール
荷重
100㎏
径1/16in
 球 
Cスケール
荷重150㎏
brale
圧子
Dスケール
荷重100㎏
brale
圧子
15―N
スケール
荷重15㎏
30-N
スケール
荷重30㎏
45-N
スケール
荷重45㎏
940 85.6 68.0 76.9 93.2 84.4 75.4 97
920 85.3 67.5 76.5 93.0 84.0 74.8 96
900 85.0 67.0 76.1 92.9 83.6 74.2 95
880 767 84.7 66.4 75.7 92.7 83.1 73.6 93
860 757 84.4 65.9 75.3 92.5 82.7 73.1 92
840 745 84.1 65.3 74.8 92.3 82.2 72.2 91
820 733 83.8 64.7 74.3 92.1 81.7 71.8 90
800 722 83.4 64.0 73.8 91.8 81.1 71.0 88
780 710 83.0 63.3 73.3 91.5 80.4 70.2 87
760 698 82.6 62.5 72.6 91.2 79.7 69.4 86
740 684 82.2 61.8 72.1 91.0 79.1 68.6 84
720 670 81.8 61.0 71.5 90.7 78.4 67.7 83
700 616 656 81.3 60.1 70.8 90.3 77.6 66.7 81
690 610 647 81.1 59.7 70.5 90.1 77.2 66.2
680 608 638 80.8 59.2 70.1 89.3 76.8 65.7 80
670 597 630 80.6 58.8 69.8 89.7 76.4 65.3
660 590 620 80.3 58.3 69.4 89.5 75.9 64.7 79
650 585 611 80.0 57.8 69.0 89.2 75.5 64.1
640 578 601 79.8 57.3 68.7 89.0 75.1 63.5 77
630 571 591 79.5 56.8 68.3 88.8 74.6 63.0
620 564 582 79.2 56.3 67.9 88.5 74.2 62.4 75
610 557 573 78.9 55.7 67.5 88.2 73.6 61.7
600 550 564 78.6 55.2 67.0 88.0 73.2 61.2 74
590 542 554 78.4 54.7 66.7 87.8 72.7 60.5 2055
580 535 545 78.0 54.1 66.2 87.5 72.1 59.9 72 2020
570 527 535 77.8 53.6 65.8 87.2 71.7 59.3 1985
560 519 525 77.4 53.0 65.4 86.9 71.2 58.6 71 1950
550 505 512 517 77.0 52.3 64.8 86.6 70.5 57.8 1905
540 496 503 507 76.7 51.7 64.4 86.3 70.0 57.0 69 1860
530 488 495 497 76.4 51.1 63.9 86.0 69.5 56.2 1825
520 480 487 488 76.1 50.5 63.5 85.7 69.0 55.6 67 1795
510 473 479 479 75.7 49.8 62.9 85.4 68.3 54.7 1750
500 465 471 471 75.3 49.1 62.2 85.0 67.7 53.9 66 1705
490 456 460 460 74.9 48.4 61.6 84.7 67.1 53.1 1660
480 448 452 452 75.5 47.7 61.3 84.3 61.4 52.2 64 1620
470 441 442 442 74.1 46.9 60.7 83.9 65.7 51.3 1570
460 433 433 433 73.6 46.1 60.1 83.6 64.9 50.4 62 1530
450 425 425 425 73.3 45.3 59.4 83.2 64.3 49.4 1495
440 415 415 415 72.8 44.5 58.8 82.8 63.5 48.4 59 1460
430 405 405 405 72.3 43.6 58.2 82.3 62.7 47.4 1410
420 397 397 397 71.8 42.7 57.5 81.8 61.9 46.4 57 1370
410 388 388 388 71.4 41.8 56.8 81.4 61.1 45.3 1330
400 379 379 379 70.8 40.8 56.0 81.0 60.2 44.1 55 1290
390 369 369 369 70.3 39.8 55.2 80.3 59.3 42.9 1240
380 360 360 360 69.8 (110.0) 38.8 54.4 79.8 58.4 41.7 52 1205
370 350 350 350 69.2 37.7 53.6 79.2 57.4 40.4 1170
360 341 341 341 68.7 (109.0) 36.6 52.8 78.6 56.4 39.1 50 1130
350 331 331 331 68.1 35.5 51.9 78.0 55.4 37.8 1095
340 322 322 322 67.6 (108.0) 34.4 51.1 77.4 54.4 36.5 47 1070
330 313 313 313 67.0 33.3 50.2 76.8 53.6 35.2 1035
320 303 303 303 66.4 (107.0) 32.2 49.4 76.2 52.3 33.9 45 1005
310 294 294 294 65.8 31.0 48.4 75.6 51.3 32.5 980
300 284 284 284 65.2 (105.5) 29.8 47.5 74.9 50.2 31.1 42 950
295 280 280 280 64.8 29.2 47.1 74.6 49.7 30.4 935
290 275 275 275 64.5 (104.5) 28.5 46.5 74.2 49.0 29.5 41 915
285 270 270 270 64.2 27.8 49.0 73.8 48.4 28.7 905
280 265 265 265 63.8 (103.5) 27.1 45.3 73.4 47.8 27.9 40 890
275 261 261 261 63.5 26.4 44.9 73.0 47.2 27.1 875
270 256 256 256 63.1 (102.0) 25.6 44.3 72.6 46.4 26.2 38 855
265 252 252 252 62.7 24.8 43.7 72.1 45.7 25.2 840
260 247 247 247 62.4 (101.0) 24.0 43.1 71.6 45.0 24.3 37 825
255 243 243 243 62.0 23.1 42.2 71.1 44.2 23.2 805
250 238 238 238 61.6 99.5 22.2 41.7 70.6 43.4 22.2 36 795
245 233 233 233 61.2 21.3 41.1 70.1 42.5 21.1 780
240 228 228 228 60.7 98.1 20.3 40.3 69.6 41.7 19.9 34 765
230 291 219 219 96.7 (18.0) 33 730
220 209 209 209 95.0 (15.7) 32 695
210 200 200 200 93.4 (13.4) 30 670
200 190 190 190 91.5 (11.0) 29 635
190 181 181 181 89.5 (8.5) 28 605
180 171 171 171 87.1 (6.0) 26 580
170 162 162 162 85.0 (3.0) 25 545
160 152 152 152 81.7 (0.0) 24 515
150 143 143 143 78.7 22 490
140 133 133 133 75.0 21 455
130 124 124 124 71.2 20 425
120 114 114 114 66.7 390
110 105 105 105 62.3
100 95 95 95 56.2
95 90 90 90 52.0
90 86 86 86 48.0
85 81 81 81 41.0

日鉄ステンレス㈱の独自ステンレス鋼

Nippon Steel Stainless Co., Ltd.'s own stainless steel

日鉄ステンレス㈱の独自ステンレス鋼の紹介です。現在ニッケル価格の高騰により、ステンレス鋼の価格UPが止まりません。原価UPしている時こそ、鋼種変更等のコストダウンを検討されてはいかがでしょう?フェライト系の高耐食性材、2相組織系の高強度材、析出硬化系の高強度材、高加工性材、高耐熱性材、非磁性材とバラエティに富んでいます。是非、ご検討の程を御願い申し上げます。

NSS-SUS 代表製品一覧表

商品名 系統 機能 代表成分ほか 特長 用途
Cr Ni 耐食性 加工性 耐熱性 高強度 非磁性 意匠性 その他
NSS439 17.5Cr-Ti-LCN 排ガス結露環境下における耐食性に優れ、432のMoフリーのVA鋼種である 自動車マフラー、エレベーター
NSS432 18Cr-0.5Mo-Nb-LCN 排ガス結露環境下における耐食性に優れ、良好な耐塩害腐食性を有する 自動車マフラー、給湯器外装材、
オイルタンク
NSS442M3 19Cr-0.5Cu-Nb-LCN 430にCu、Nbを添加したもので、304の代替可能な耐食性を有する 洗濯機のドラム、オイルタンク、自動車排ガス部品
NSS436 18Cr-1Mo-Ti-LCN 排ガス結露環境下において432より耐食性に優れる 自動車マフラー、給湯器外装材、オイルタンク
NSS444N 18.5Cr-2Mo-Nb-LCN 応力腐食割れの発生がなく316相当の耐食性を有する 温水機器の缶体、貯水槽、太陽熱温水器コレクター
NSS445M2(タフテンⅠ) 22Cr-1.1Mo-Ti-Nb-Al-LCN 耐食性・耐候性に優れ、特に温水中での耐食性は444Nより優れる 温水機器の缶体、屋根材、外装建材
NSS447M1(タフテンⅡ) 30Cr-2Mo-Ti-Nb-Al-LCN Cr系ステンレスの中で最も耐食性・耐候性に優れる ウォーターフロント用外装建材
NSSSCR 19Cr-12Ni-3Si-2Cu-0.8Mo 耐応力腐食割れ性に優れ、316と同等の耐隙間腐食性を有する 温水ボイラー、屋内配管
NSS410M1 12Cr-LC 410よりCを低くし溶接部曲げ性、加工性に優れる 建築構造材、器物
NSS430M4 17Cr-Nb-LCN 430にNbを添加したもので、加工性、溶接性、耐食性が430より優れる 洗濯機のドラム、自転車リム
NSS430M2 16.5Cr-Ti-LCN 430にTiを添加したもので、加工性、耐食性が430より優れる バーナー類、家電部品
NSSID-1 16.5Cr-Ti-Nb-LCN NbとTiを複合添加し、加工性が430M2、430M4よりさらに優れる センサーケース、ソケット等深絞り加工製品
NSS436M1 18Cr-1Mo-Ti-Nb-LCN 436と同等な耐食性で、Nb添加により加工性に優れる ディーゼル車の排ガス部品、給油系自動車部材
NSS304S 18.5Cr-9Ni-1.1Cu-LC 304にCuを添加したもので、軟質で加工性に優れる コイン、洋食器
NSS304M2 16.5Cr-7Ni-1.5Si-2Cu-LC 304Sより深絞り性、張り出し性に優れる 器物、ドアノブ、シンクボール
NSS304M3 16.5Cr-7Ni-2Cu 304M2より高速張り出し成形性に優れる ガスバーナー部品、複雑な形状の加工部品
NSS304ES 17Cr-8Ni-3.2Cu-LC 極軟質で冷間鍛造性、形状凍結性および深絞り性にも優れる 深絞りセンサーケース、ファインブランキング用材
NSSHR-1 14Cr-1Si-1Mn-Nb Si.Mn,Nb添加により高温強度、耐酸化性に優れる 自動車エキゾーストマニホールド
NSSEM-2 / EM-3 18.5Cr-1Mn-2Mo-Nb HR-1より高温強度、耐酸化性に優れる 自動車エキゾーストマニホールド
NCA-2 12.5Cr-1Al-1.5Si-Ti Si、Al添加により耐酸化性に優れる 燃焼筒、抵抗体
NCA-1 18Cr-3Al-Ti NCA-2より、さらに耐酸化性に優れる 燃焼筒、抵抗体、面状発熱体
NSS302B 18Cr-9Ni-2.5Si 900℃以下では310Sと同等の耐酸化性と強度を有する 自動車エキゾーストマニホールド、フレキシブルチューブ
NSSER-1 19Cr-13Ni-3.3Si-Nb 310Sと同等な耐酸化性を有する 自動車エキゾーストマニホールド、燃焼部材
NSSER-4 17Cr-12.7Ni-2.5Si-2.2Mo 耐高温塩害腐食用鋼で耐塩化物溶融塩腐食性にも優れる 自動車フレキシブルチューブ、焼却炉
NSSTF-1 12.5Cr (加工硬化鋼)高強度でありながら曲げ加工性に優れる フレーム、ばね
NSS431DP-2 16.5Cr-2Ni (複相組織鋼)301,304のばね材からの代替可能な高強度を有する 建築金物、プレスプレート、ブレーキ
NSS1500SP 16Cr-4Ni (焼入れ硬化鋼)431DP-2より高強度を有する 面受け板、ガスケット
NSSHT1770 15Cr-7Ni-1.5Si-Ti (析出硬化鋼)打抜き加工ができ、時効処理により高強度化が可能である シートセンサー部品、打ち抜き加工ばね
NSSHT2000 14Cr-8Ni-3Si-2Mo (加工・時効硬化鋼)ステンレスの中で最も高強度でかつ靭性、疲労特性に優れる IDソーブレード
NSS305M1 16Cr-12Ni-3Mn 超深絞りが可能で、かつ加工後でも非磁性を有する テレビ電子銃、電子部品
NSS305M3 19Cr-12Ni-3Mn-0.15N (加工硬化鋼)非磁性でかつ高いばね特性、高強度を有する 非磁性ばね、電子部品
NSS410M4 耐磨耗性 12.5Cr-Mn 広い温度範囲の焼き入れで最高硬さHRC35を有する ディスクブレーキ
NSSWR-1 耐磨耗性 13Cr-Nb-0.25C 420J2にNbを添加したもので、420J2より加工性、焼き入れ後の耐食性に優れる フラットヘルド等織機部品、刃物
NSSHS-1 表面導電性 17Cr-1.5Cu-Nb 17Cr-Cu鋼で低い表面電気接触抵抗を有する 電池キャップ、接点材
NSSHS-3 表面導電性 18.5Cr-9Ni-3.8Cu-LC 表面電気接触抵抗が低く、HS-1より加工性に優れる 電池キャップ、接点材
カラーソフテン シリコンポリエステル塗料 耐食性に優れる。素地との密着性が良く、耐久性に優れる 屋根、外装用建材
クリアコートステンレス 耐指紋性 ポリエステル 透明性、加工性 家電、AV機器、OA機器
キッチン関連部材
アクリル 透明性、高光沢性
アクリルシリコーン 耐汚染性、耐汚染除去性、耐薬品性
フッ素 耐汚染性、耐薬品性、耐疵付き性
パール調クリアコートステンレス 耐指紋性 上記クリア塗膜中に特殊パール顔料を配合したもの 見る角度により色調が変化する高い意匠性(7色のフルグロス、つや消しタイプがある)、4種のクリア塗膜で製造可能 家電、AV機器、OA機器
キッチン関連部材
Wコート 高潤滑性有機樹脂被膜
(アルカリ可溶型)
高潤滑性有機樹脂皮膜により優れた成型加工性が得られる マフラー部品、家電部品、ガスコンロバーナー
タフテンZ 溶融亜鉛めっき 意匠性、耐久性、耐食性に優れる 屋根、外装用建材
アルスターステンレス 外部塩害 溶融アルミめっき 耐食性、耐熱性に優れる 自動車排ガス部品
カッパーソフテン 電気銅めっき 意匠性、耐食性、加工性に優れる 屋根、外装用建材
ばね材・ハイテン材 304-CSP,
301-CSP等
圧延により、硬さ・引っ張り強さ等を上げたもの ガスケット、家電、自動車部品等のばね・ぜんまい
ステンレススチールベルト HT1770M, HT980 高強度、耐熱性 コンベヤ用ベルト、ベイクオーブン用ベルト
極薄・箔 高精度 0.3㎜以下の極薄品、金属箔 広幅で高精度の外観・形状を有する 精密機器、電子部品、注射針
特殊表面仕上品 エンボス、2DR-2等 意匠性等独自性の高い表面仕上げを有する 家庭用厨房天板、建材

NSS 442M3

特長

◆ 自動車の高級モールや屋根材など耐候性が要求される外装用材料として開発されたフェライト系ステンレス鋼です。

◆ 19Cr-0.5Cuを基本成分とし、Nbを添加して耐食性とともに発銹起点の減少と錆の拡がりを抑制した材料です。

◆ Ni原料の高騰から、用途に応じてSUS304代替材として広く使用されています。

用途例

◆ 石油給湯器の外装材・オイルタンク

◆ 洗濯機のドラム等家電製品

◆ 排ガス系・モール材等自動車部品

化学成分

◆ 19Cr-0.5Cu-Nb-LCN

仕上および板厚

◆ 製造仕上:No.2D No.2B No.4 BA HL 等(但し、BAは2.0㎜上限)

◆ 製造板厚:0.3~3.0㎜

機械的性質

表1 機械的性質例(板厚1.0㎜、No.2B仕上)

鋼種 耐力(N/㎟) 引張強さ(N/㎟) 伸び(%) 硬さ(HV)
NSS 442M3 360 530 31 177
SUS304 254 659 60 159
SUS430 315 520 28 165

NSS431DP-2

特長

1.16.5%Cr-2.0%Niを主成分としており、優れた耐食性を示します。(SUS301と同等です。)
2.複相化処理後の引張特性の強度-延性バランスに優れています。
3.焼入れ焼戻し処理が不要です。
4.微細混合組織(フェライト+マルテンサイト)を呈しており、打ち抜き性が良好です。(金型寿命が長くなります。)
5.400℃~500℃の短時間時効処理で、約1500N/m㎡級のばね限界値が得られます。
6.約500℃までの耐ばね性を有しており、温間での耐へたり性に優れています。
7.SUS304、301の代替材としても使用できます。(オーステナイト系ステンレスより安価です。素材、加工部品のコストダウンが可能です。
8.幅1000mm以上の広幅コイルでの供給が可能です。
9.板厚4.0mmの厚板も製造可能です。
10.溶接部の軟化の程度も小さく、溶接性や靱性に優れています。

用途例

1.フレーム関係(ステンレスフレーム、ダイシング・ソー、テープフレーム)
2.プレート関係(ラッピングキャリア、プレスプレート、養生板、)
3.ばね関係(事務用クリップ、ヘアーピン、アースばね、ステンレスバンド)
4.微細混合組織(フェライト+マルテンサイト)を呈しており、打ち抜き性が良好です。(金型寿命が長くなります。)
5.その他高強度部品(雨樋留め金具、測定工具(直尺)、ヘアーピン、物干し竿、)
6.刃物(ファクシミリカッター刃、アップルカッター刃)
7.パンチングメタル、グレーチング、ディスペンサー、弁材料、メタルマスク


NSSHT1770 SUS632J1 15-7PH

特長

NSS HT1770(SUS632J1)~析出硬化鋼
1.高い時効硬化特性・ばね特性・疲労特性を示します。
2.冷間加工硬化能が小さく、成形加工性・打抜き加工性に優れています。
3.溶接後、簡単な時効熱処理を施すことで、高強度・高靱性の溶接用材料が得られます。

用途例

シートセンサー部品、打抜き加工ばね(Cリング、Eリング)、ダイヤフラム弁、リトラクターばね等各種高強度ばね

製品特性

表1 材料特性

製品名 成分系 処理 引張強さ(N/㎟) 伸び(%) 硬さ(HV) ばね限界値(N/㎟)
NSS431DP-2 16.5Cr-2.0Ni 素材 1195 9.1 380 480
時効後 1190 7.3 390 1550
NSSHT1770 (SUS632J1) 15Cr-7Ni-1.5Si-0.4Ti 素材 1100 5.5 320 720
時効後 1750 6.5 520 1960

特殊鋼成分規格表

Special steel composition specification table

区分 JIS記号 日新規格記号 SAE記号 成分(%)
C Si Mn P S Cr Mo V B
炭素鋼および機械構造用炭素鋼 N15CK 0.10~0.15 0.15~0.35 0.30~0.60 0.030以下 0.035以下
S15C 0.13~0.18 0.15~0.35 0.30~0.60 0.030以下 0.035以下
S15CK 0.13~0.18 0.15~0.35 0.30~0.60 0.025以下 0.025以下
S25C 0.22~0.28 0.15~0.35 0.30~0.60 0.030以下 0.035以下
S30CM 0.27~0.33 0.15~0.35 0.60~0.90 0.030以下 0.035以下
S35CM 0.32~0.38 0.15~0.35 0.60~0.90 0.030以下 0.035以下
S45CM 0.42~0.48 0.15~0.35 0.60~0.90 0.030以下 0.035以下
N45B 0.43~0.50 0.15~0.35 0.40~0.65 0.030以下 0.035以下
NCL1 0.45~0.50 0.15~0.30 0.60~0.90 0.035以下 0.040以下
S48C 0.45~0.51 0.15~0.30 0.60~0.90 0.030以下 0.035以下
S50CM 0.47~0.53 0.15~0.35 0.60~0.90 0.030以下 0.035以下
N50B 0.48~0.55 0.15~0.30 0.40~0.65 0.030以下 0.035以下
SAE1050 0.47~0.55 0.15~0.35 0.60~0.90 0.040以下 0.050以下
S53C 0.50~0.56 0.15~0.35 0.60~0.90 0.030以下 0.035以下
N55D 0.52~0.58 0.10以下 0.60~0.90 0.030以下 0.035以下
S55CM 0.52~0.58 0.15~0.35 0.60~0.90 0.030以下 0.035以下
SAE1055 0.52~0.60 0.15~0.30 0.60~0.90 0.040以下 0.050以下
S58C 0.55~0.61 0.15~0.35 0.60~0.90 0.030以下 0.035以下
S60CM 0.55~0.65 0.15~0.35 0.60~0.90 0.030以下 0.035以下
SAE1060 0.55~0.66 0.15~0.30 0.60~0.90 0.040以下 0.050以下
SAE1065 0.59~0.70 0.15~0.30 0.60~0.90 0.040以下 0.050以下
S65CM 0.60~0.70 0.15~0.35 0.60~0.90 0.030以下 0.035以下
N63C 0.60~0.65 0.15~0.30 0.70~0.90 0.030以下 0.035以下
N70C 0.65~0.75 0.15~0.30 0.60~0.90 0.030以下 0.035以下
SAE1070 0.65~0.76 0.15~0.30 0.60~0.90 0.040以下 0.050以下
S70CM 0.65~0.75 0.15~0.35 0.60~0.90 0.030以下 0.035以下
NK11 0.65~0.75 0.35以下 0.50~0.80 0.030以下 0.030以下
SAE1075 0.70~0.80 0.15~0.30 0.40~0.70 0.040以下 0.050以下
S75CM 0.70~0.80 0.15~0.35 0.60~0.90 0.030以下 0.035以下
SAE1080 0.74~0.88 0.15~0.30 0.60~0.90 0.040以下 0.050以下
SAE1085 0.80~0.94 0.15~0.30 0.70~1.00 0.040以下 0.050以下
SAE1090 0.84~0.98 0.15~0.30 0.60~0.90 0.040以下 0.050以下
炭素工具鋼 SK60 0.55~0.65 0.10~0.35 0.10~0.50 0.030以下 0.030以下
SK65(SK7) 0.60~0.70 0.10~0.35 0.10~0.50 0.030以下 0.030以下
SK70(TC70) 0.65~0.75 0.10~0.35 0.10~0.50 0.030以下 0.030以下
SK75(SK6) 0.70~0.80 0.10~0.35 0.10~0.50 0.030以下 0.030以下
SK80(TC80) 0.75~0.85 0.10~0.35 0.10~0.50 0.030以下 0.030以下
SK85(SK5) 0.80~0.90 0.10~0.35 0.10~0.50 0.030以下 0.030以下
SK90(TC90) 0.85~0.95 0.10~0.35 0.10~0.50 0.030以下 0.030以下
SK95(SK4) 0.90~1.00 0.10~0.35 0.10~0.50 0.030以下 0.030以下
SK105(SK3) 1.00~1.10 0.10~0.35 0.10~0.50 0.030以下 0.030以下
SK120(SK2) 1.15~1.25 0.10~0.35 0.10~0.50 0.030以下 0.030以下
SK140(SK1) 1.30~1.50 0.10~0.35 0.10~0.50 0.030以下 0.030以下
ばね鋼 SUP3 0.75~0.90 0.15~0.35 0.30~0.60 0.035以下 0.035以下
SUP6 0.56~0.64 1.50~1.80 0.70~1.00 0.035以下 0.035以下
SUP7 0.56~0.64 1.80~2.20 0.70~1.00 0.035以下 0.035以下
SUP9 0.52~0.60 0.15~0.35 0.65~0.95 0.035以下 0.035以下 0.65~0.95
SUP9A 0.56~0.64 0.15~0.35 0.70~1.00 0.035以下 0.035以下 0.70~1.00
SUP10 0.47~0.55 0.15~0.35 0.65~0.95 0.035以下 0.035以下 0.80~1.10 0.15~0.25
SUP11A 0.56~0.64 0.15~0.35 0.70~1.00 0.035以下 0.035以下 0.70~1.00 0.0005以上
SUP12 0.51~0.59 1.20~1.60 0.60~0.90 0.035以下 0.035以下 0.60~0.90
SUP13 0.56~0.64 0.15~0.35 0.70~1.00 0.035以下 0.035以下 0.70~0.90 0.25~0.35
クロムモリブデン鋼 SCM415 0.13~0.18 0.15~0.35 0.60~0.85 0.030以下 0.030以下 0.90~1.20 0.15~0.30
SCM418 0.16~0.21 0.15~0.35 0.60~0.85 0.030以下 0.030以下 0.90~1.20 0.15~0.30
SCM420 0.18~0.23 0.15~0.35 0.60~0.85 0.030以下 0.030以下 0.90~1.20 0.15~0.30
SCM421 0.17~0.23 0.15~0.35 0.70~1.00 0.030以下 0.030以下 0.90~1.20 0.15~0.30
SCM430 0.28~0.33 0.15~0.35 0.60~0.85 0.030以下 0.030以下 0.90~1.20 0.15~0.30
SCM432 0.27~0.37 0.15~0.35 0.30~0.60 0.030以下 0.030以下 1.00~1.50 0.15~0.30
SCM435 0.33~0.38 0.15~0.35 0.60~0.85 0.030以下 0.030以下 0.90~1.20 0.15~0.30
SCM440 0.38~0.43 0.15~0.35 0.60~0.85 0.030以下 0.030以下 0.90~1.20 0.15~0.30
SCM445 0.43~0.48 0.15~0.35 0.60~0.85 0.030以下 0.030以下 0.90~1.20 0.15~0.30
SCM822 0.20~0.25 0.15~0.35 0.60~0.85 0.030以下 0.030以下 0.90~1.20 0.35~0.45

特殊鋼における化学成分の特性

化学成分 引張強さ 衝撃性質 溶接性 耐候性 特性 コスト
C × × - 鋼材の主元素、鋼材の性質をほぼ決定
Si - × 主な仕事は脱酸剤
Mn × - 強さと硬さを増す(ホルモン剤)
P × × 特殊鋼では少ない方が良い
S - × × - 特殊鋼では少ない方が良い
Cu - - 多いと脆くなる、錆びにくい
Cr - × 摩耗に強い、焼入性アップ
Ni - 粘り強い、熱処理性アップ
Al - 細粒化に良い
Nb - × - 粘り強さアップ
V × × - 細粒化元素、靱性・摩耗性アップ
Ti - - 焼入性アップ(表層)
Mo - 焼きの深さアップ、粗粒化防止
Co - - 赤熱硬性
B - 焼入性アップ(深部まで)
W × - 耐熱性アップ、高温で強さアップ

HT1770 について

About HT1770

この度NSS HT1770 (15-7PH)がJIS鋼種に認定されました。
JISの名称はSUS632J1-CSPです。

Profile NSSHT1770

NSSHT1770 (15-7PH)は析出硬化系のステンレス鋼板です。
素材硬度はHv350前後ですが、時効処理(475℃で1時間キープ)を施す事によってHv500前後に上昇します。
例えば・・・高強度を必要とされる部品を作りたいが、形状が複雑で曲げRも厳しく普通のバネ材では困難である。という場合に威力を発揮します。
つまり素材の柔らかい状態で形状を作り出してから時効処理によって強度を出すのです。同系のステンレスではSUS631がありますが、この材料で時効後強度をHv500に上昇させるには、素材硬度もHv400以上でなければなりません。

特徴
1.SUS631と比較すると、さらに柔らかい硬度から高い強度を得る事ができる。
2.素材硬度が安定しているため、材料ロットの違いによる成型のバラつきが小さい。
3.加工硬化が少ないので、これも成型の安定性が良い要因。
下に示す表が、この材料の特性を端的に現しています。

図1.時効処理前後の硬さ特性

時効処理前後の硬さ特性
左表は素材圧延率と硬さとの関係を示したものです。
通常のバネ材は圧延によって強度を出していくもの ですが、NSSHT1770は圧延による影響があまり ありません。これが素材硬度が安定していることと 加工硬化が少ないという事なのです。また、時効処理後の硬さも安定した状態であること がご理解いただけると思います。
用途例と採用の理由
Eリング・Cリング→高強度が要求される。
試験管つかみバネ→疲労強度に強い。
リトラクターバネ→優れたバネ特性と耐疲労。
スチールベルト→溶接性に優れている。
DVC部品→過酷な形状と耐久性。
製造可能範囲
厚さ 0.2㎜~3.0㎜
幅  1,200㎜以下

表1.物理的性質の比較(対SUS631)

NSSHT1770 SUS631
密度(kg/cm3) 7.74×10-3 7.67×10-3
比熱(J/(kg・℃)) 0.50×103 0.46×103
電気抵抗(μΩ・m) 1.00 0.84
弾性係数(N/㎜2) 196000 190000
熱膨張係数(℃-1)
25℃~100℃ 10.9×10-6 11.8×10-6
25℃~200℃ 11.5×10-6 12.0×10-6
25℃~300℃ 11.7×10-6 12.3×10-6
25℃~400℃ 12.0×10-6 12.8×10-6
25℃~500℃ 12.1×10-6 13.2×10-6
熱伝導度(W/m・℃)
100℃ 15.9 15.9
200℃ 18.0 18.0

特殊鋼・ステンレス鋼の事でのお悩み、まずはご相談下さい。

お電話でのお問い合わせ

06-6962-3261

メールでのお問い合わせ

WEBフォームからのお問い合わせはコチラ